仏教の聖地のひとつであるルンビニーとは?歴史背景を知る

仏教の歴史は仏陀の生誕地ルンビニーから始まります。ルンビニーで王族の一人として誕生しました。何不自由ない豊かな生活を投げうって、仏教に乗り出したのには理由があります。

ルンビニーで生まれた仏陀はブッダガヤで悟りを開きます。それから仏教の最初の説法が行われたのがサールナートです。さまざまな仏教活動の後に死を迎えますか、入滅の場所はクシーナガラという場所です。これらの4カ所は仏教の4大聖地として仏教徒の巡礼の対象地となっています。

ルンビニーは仏陀誕生の地

ルンビニーは、ネパール南部のタライ平原にある小さな村です。ルンビニーは仏教の開祖である仏陀が生まれた場所です。日本ではお釈迦さま、と呼ばれることもあります。その本名はサンスクリット語ですが、ガウタマ・シッダールタと呼ばれています。

1992年から1994年にかけて行われた発掘調査が、ルンビニー遺跡の発見につながりました。寺院の解体修復工事に伴って、様々な事前調査が行われました。その時に寺院中心部から大きなマーカーストーンが発見されたということです。マーカーストーンは日本語では印石と呼ばれています。そのサイズが大きいのが特徴となっています。歴史的にはアショーカ王により建立されました。仏陀の生誕地を示す標識として置かれたのが目的ではないかと言われています。

寺院は東西26メートル、南北21メートルの外壁に囲まれています。発掘調査で分かったことは、古代に6期にわたり増改築がなされたということです。

1997年にユネスコの世界遺産に登録

1997年にユネスコの世界遺産に登録されたルンビニ

ここで世界遺産ルンビニーの概要について簡単に紹介しましょう。ルンビニーはサイトによってはルンビニと表記されていることが多いです。世界遺産ルンビニは、その中心がマーヤー・デーヴィー寺院です。当時のインドの支配者であるカニシカ王が巡礼された時に建立された石柱が、いまでも残っています。

興味深いのは仏陀が誕生した時に産湯を使ったとされる池などが未だに残っていることです。この地を巡礼される仏教徒は、その神聖な池を一目見るために、辺境のこの地を訪れます。この地は一年を通して仏教徒の巡礼者で賑わっています。特に12月から1月にかけては多くの仏教徒が集まるので、大変な混雑となることが多いです。それでもこの地を訪問するのであれば、12月から1月にかけてが最適な時節であるということができます。

ここは1997年にユネスコの世界遺産に登録されています。世界遺産に登録された後の観光客の増加が見込まれます。

仏陀はルンビニーの花園で誕生

仏陀の母親であるマーヤー夫人が、お産をするために実家に里帰りする途中で、ルンビニの花園で休憩をしていたということです。その時に婦人の脇の下から姿を現して、誕生したのが仏陀であると言われています。このように信じられないようなお話が今でも残っています。

驚くべきことに、仏陀が誕生してから、すぐに七歩歩いて、右手で天空を指し、左手で大地を指して、天上天下唯我独尊と言われたそうです。生まれたばかりの赤ちゃんが、すぐに立ち上がって歩き出すことには大変驚かされます。もっと驚かされるのが、仏陀の言語能力ではないでしょうか。生まれたばかりで、天上天下唯我独尊という言葉を発せられたと言いますから、これは驚く以外にありません。

天上天下唯我独尊とはいったい何でしょうか。あらゆる生き物は、ただ一つの命であるから、無益な殺生はしてはならないという仏陀の尊い教えです。天上とは死後の世界を意味するのではないかと推察されます。そして天下とは、我々が地球上で生活している現世のことを指します。

言い伝えによると、摩耶夫人の右脇下より生まれた直後に、七歩歩いて右手で天を指し、左手で地を差して、周りを見渡し「天上天下唯我独尊」と叫ばれたとされています。

https://www.myoshinji.or.jp/tokyo-zen-center/howa/997

ルンビニ釈尊生誕地聖域計画

ルンビニ釈尊生誕地聖域計画というのをご存知でしょうか。仏陀の生誕地の周辺を、聖地公園として整備するということです。1978年に日本の著名建築家である丹下健三氏がマスタープランを策定しました。それ以来、現在に至るまで、この計画に基づいて公園の整備が進められています。

国際連合の事務総長であるウ・タント氏の提唱で、この壮大なプロジェクトは開始されました。ウ・タント氏自身も、ミャンマーで有名な仏教徒です。敷地内では、数多くの仏塔が次々と整備されています。この聖域内には世界各国を代表するような寺院が林立しているのが特徴です。どんなものがあるのでしょうか。例えば、中華寺、ドイツ寺、ミャンマー寺などが敷地内に建設されています。

建設途中や造成中の建物がたくさん残っているのが大きな特徴です。これらのプロジェクトを推進するためには莫大なお金が必要です。世界各国から仏教徒の応援を求めています。

まとめ

ルンビニはネパールとインドの国境、スノウリに近いです。乗合バスを利用すれば、わずか15分程度で隣町のバイラワに到着します。そこでバスを乗り継ぎ、1時間ほどでルンビニ遺跡に到着するということです。

聖域はとても広いので、徒歩で見て回ることはできません。一番良い方法はインドのリクシャーをチャーターすることですが、事前に料金交渉をしなければなりません。またレンタサイクルを利用すれば安上がりでルンビニ観光ができます。