| 渡邊 |
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棟梁の仕事とは? 一人前になるには何年かかるものですか? |
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| 有馬 |
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一人前になることと、棟梁になることは違います。棟梁には、人より勝る技術はもとより、人を束ねる力が問われます。職人たち十人十様の仕事を念頭に、全員が実力以上の力を出せるように動くこと。カンナ、ノミ、ノコギリ、道具の使い方ひとつも人により得手不得手がありますから、それぞれイメージしながら仕事配分します。現場で寝泊まりも一緒にするうちに性分もわかりますし、段取りに向く人間と、職人肌の人、およそ三年で分かれてきます。棟梁はそうした天分も見極めていくわけです。 |
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| 渡邊 |
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尊敬する岡本棟梁とは違う自分の色とは何でしょう? |
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| 有馬 |
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ひとつの仕事には瓦から建具などいろんな業者が関わりますが、私はその作業の流れを自分で進行管理していくタイプです。岡本棟梁は、業者側が流れを察知して対応していく仕事の進め方です。私は自身が完璧ではない部分を職人の力で補ってもらうために、職人がやりやすいように指示するのです。 |
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| 渡邊 |
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宮大工としての夢を教えてください。 |
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| 有馬 |
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日本のすみずみに伝統建築の可能性があります。地方の小さな寺や神社を造るにも、伝統建築の良さを何百年も伝えられる仕事をしたい。死んで名前を残すのではなく、死んでも残る物を造りたい。 |
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| 渡邊 |
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共感です。研究の喜びもそうで、自分で資料を集め、自分にしか探りえなかったものが、後世の研究につながっていけば、それは本望ですね。 |
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| 有馬 |
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建築物も後に解体すれば、そこに生きていた技術が明らかになるわけで、それが「技を継承する」ということではないかと思います。人から人、つまりは物から物へ伝わっていく力です。 |
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| 渡邊 |
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職人というのは、教えられる世界のようでいて、実は能動的に自らつかみ取る道ですね。そうした意味で、自分探しの渦中にいる学生にひと言いただけますか。 |
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| 有馬 |
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大工の親方連中ともよく話すのですが、伸びる人は放っておいても伸びる。違いは何かというと気持ちのスイッチ、競争心の目覚めです。例えば、掃除ひとつするにも、人に言われてほうきを持つのと、自ら持つのでは、仕事内容が違ってくる。だから、若い職人には、人に使われるな、使われるなら自分に使われろ! と言います。自分に貪欲に動くことが仕事の第一歩。私も常に自分の好奇心に動かされています。 |